古刹・前山寺
 

信濃デッサン館の裏手にある古刹(こさつ)前山寺には室町時代初期に作られた、需要文化財の三重の塔が建っている。 これは俗に「未完成の塔」と呼ばれている。 窓も扉も欄干もない質素な塔姿がそう呼ばせるのです。 これ以上建築すると本当の美しさがそこなわれる。 として宮大工がノミをおいたという説もあるが、本当の理由は当時の寺の財政事情にあるようである。  

室町時代初めといえば、北条氏が鎌倉で滅びてここ信州塩田城も没落。 お寺のお布施あつめにしろ、いろいろままならなかったに違いない。 

職人が美意識に目覚めたというよりは、資金不足で工事が中断されたと考えるのが自然である。 要は「未完成の塔」の美しさがそうした財政逼迫の財布の事情から生まれたということだろう。 

限られた素材を手いっぱい活かした節約が、前山寺の塔を何倍にも美しく見せている。 ぜいたくできない「限られた条件」が6百年の暦を越える風雅と品格を生み出したのである。 懐が豊かだったらこうはいかなかったに違いない。

信濃デッサン館 館主 窪島誠一郎 より。


その参道で見かけた石像、雪景色が風情をそそります。

信濃デッサン館の隣が前山寺の参道となってます。 雪が残っていて寒い一日でした。

前山寺の本堂、正面のアップ写真。 やはり鎌倉時代の建築物。 この住職の森さんは実はおかちゃんの小学校時代の同級生です。 

おかちゃんの幼児期、小学生時代はよくこのお寺付近で遊んだものです。 そのころは、前山寺、近くの神社、今は無言館が建っている「三の山」あたりはかっこうの遊び場でした。 この様な価値のある建物とはまったく知りませんでした!

       
 

平成16年 元旦 作成

信州の鎌倉TOP

格安大阪単身赴任ホーム

   

Copyright © 2001-2003 Koichi Okada. All rights reserved.