蛇にピアス・金原ひとみ 

       

小説は出だしの10行で勝負が決まるという。 「蛇にピアス」はとにかく常識人にはとても想像できない文から始まりました。

「スプリットタンて知っている?」 「何?それ。分かれた舌ってこと?」 「そうそう。蛇とかトカゲみたいな舌。人間も、ああいう舌になれるんだよ」 男はおもむろにくわえていたタバコを手に取り、べろっと舌を出した。

初めから、終わりまで衝撃的な世界を描いているのです。 さらにオジサンにとってさらに、衝撃的な一文は;

シバさんは指を2本入れ、何度かピストンさせるとすぐに引き抜き、汚いものを触ったように私の太股に濡れた指をなすりつけた。 シバさんの表情を見てまた濡れてくのが分かった。 「入れて」 そう言うとシバさんは太股でぬぐった指を私の口の中に押し込み、口の中をまさぐった。 「まずいか?」シバさんの言葉に頷くと口から指を引き抜き、そのままマンコに入れ、また口の中に戻し、口の中をまさぐった。 

この手の詳細な記述小説は、アンダーグランド男性小説家の世界だったはずなのに、19歳の女の子が臆面も無く書いている、この点で「ショック」でした。  ただし、この小説の主題は「人間の哀しさ」そして、「主人公のルイのやさしさ」書かれていて、ほっとしました。

やはり、全文をあなたも読んでください。 よんでみないと分かりません。

平成16年2月22日(日) 作成

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