ギリシャ神話 ・ エクトルとアンドロマケ

大阪御堂筋、淀屋橋南詰めから難波方向、右側歩道を歩いてまもなく、この写真の作品が見えてくる。 他の御堂筋にあるオブジェと違い、シルバーカラーで輝いている。 それに、一度みて忘れられない形。 

この作品は:

デ・キリコ 「ヘクトルとアンドロマケ」

Ettore e Andromaca

Giorgio De Chirico

1973

この作品のバックグランドが先日の「日本経済新聞 文化面40」平成16年6月15日夕刊版に載っていた。 これが題して:

 

「ギリシャ神話への誘い 十選」      作家 阿刀田 高

トロイ戦争で一番素敵な勇者は誰か? トロイの第一王子にして総指揮官格ヘクトルを押す声は高い。 篤実で、勇敢で、堅かった。  

戦いの帰趨(きすう)をかけギリシャ軍きっての勇者アキウレスと一騎討ち。 敗れて屍を戦野に引かれたのはあわれであったけど、これさえもが多くの涙を誘い、感動をもたらせてくれる。

そのヘクトスの妻がアンドロマケ。

幼い子を残して決闘に赴く夫に妻は「行かないで!」と迫るが、もはや勇将は退くことが出来ない。 この作品はそんな二人の別れを表している。

戦場に赴くエクトルが「甲冑(かっちゅう)」をまとい、アンドロマケもまた女の戦いへ、甲冑が必要なのかも知れない。

夫の死後アンドロマケは、夫を殺したアキウレスの息子ピュロスの激しい求愛を受け、亡夫への操を貫くべきかどうかを思って苦しむ。

結局、ピュロスの妻となり、そのピュロスも殺され、またアンドロマケは悩んだすえ、トロイの残党の一人ヘレノスの妻になる。

つまりアンドロマケは悲運にさらされるが、思いのほか打たれ強い。 立派な「甲冑」を心に着けていたのかもしれない。

 

ギリシャ生まれで古典に深い関心を抱いていた デ・キリコ が、このテーマを描くのは納得できるけど、デ・キリコのシュールレアリズムは、何を訴えているのか?  

おかちゃんは、これを読んで、、「女性の強さ」は昔から変わっていないのだ!! と改めて感心したのでした。 おじさん達も もっと強くなりましょう!! 

打たれても、打たれても 立ち直る オジサンになろう!! アンドロマケにつづけぇー!! おー!!

平成16年6月27日 作成

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